
屋根から雨漏りする原因は、屋根材の劣化だけではありません。
棟部分や防水シート、外壁との取り合い部など、雨水の浸入箇所は多岐に渡ります。
DIYによる応急処置を検討する際は、安全に配慮しつつ、事態を悪化させないよう適切な方法で作業することが大切です。
本記事では、屋根から雨漏りが発生する具体的な原因や、自分でできる補修方法を解説します。
業者に依頼した場合の修理費用相場もまとめていますので、コストを抑えて雨漏りを解決したい方は参考にしてください。
屋根から雨漏りが発生した場合、以下のような不具合が原因として考えられます。
具体的な劣化サインを見ていきましょう。
屋根からの雨漏りが発生したら、屋根材の劣化が進行しているかもしれません。
屋根材の種類ごとに、劣化のサインをまとめました。
| 屋根材の種類 | 劣化のサイン |
|---|---|
| スレート |
|
| セメント瓦 |
|
| 粘土瓦 |
|
| 金属(トタン・ガルバリウム鋼板など) |
|
屋根材の健康状態が問題ないケースでは、塗装してメンテナンスすることが一般的です。
しかし、雨漏りが発生している場合は、屋根材に割れや欠けが生じていることも考えられます。
屋根材は部分的に補修・交換もできますが、不具合が全体に及ぶ場合は、葺き替えやカバー工法などのリフォームが必要です。
屋根材の不具合よりも雨漏りの原因としてよく見られるのが、棟板金の劣化です。
「棟」とは、屋根の面と面のつなぎ目になっている頂点部分を指します。
棟板金は、棟部分の隙間を塞ぐ目的で設置されているため、板金部分に隙間や穴が生じると、雨漏りが発生しやすくなります。
棟板金に生じる劣化サインは、以下のとおりです。
サビを防ぐために定期的な塗装が必要な部位ですが、すでに劣化が進行している場合は部材の交換になることが一般的です。
雨漏りによって下地の木材(貫板)が腐食している場合は、貫板ごと交換が必要になります。
屋根の下地には、防水シート(ルーフィング)が敷かれています。
屋根材や棟板金の隙間から浸入した雨水を、最終的に防いでくれるのがルーフィングです。
ルーフィングの耐用年数は、製品のグレードによって以下のように異なります。
| グレード | 種類 | 耐用年数 |
|---|---|---|
| 低 | アスファルトルーフィング | 約10年 |
| 中 | 改質アスファルトルーフィング | 約20年 |
| 高 | 不織布ルーフィング | 約30年 |
低価格の建売住宅や、30年以上前に建築された住宅の多くは、低グレードのルーフィングを採用しているのが実情です。
そのため、築20年以上経過している住宅の場合、ルーフィングが機能していないことによる雨漏りの可能性があります。
外壁と屋根の接合部(取り合い)に隙間があると、雨漏りが発生しやすくなります。
本来は、接合部の連続性を確保するため、屋根と外壁の防水シートをそれぞれ長めに貼り、各シートを重ね合わせるのが一般的です。
ただし、建設現場では部位ごとに工事を担当する職人が異なるため、連携が不十分だと取り合い部への対策が不十分になることがあります。
住宅の取り合い部は、屋根と外壁に限らず雨漏りリスクが高い箇所です。
「笠木と外壁」や「防水層とサッシ」などの取り合い部も含めて、雨漏りが発生していないか確認しておきましょう。
雨樋は、屋根の雨を地上や下水に排出する役割を持つ部材です。
雨樋に不具合が生じると、あふれ出た雨水が建物の劣化箇所にバシャバシャとかかり、雨漏りに発展するおそれがあります。
以下のような不具合がある雨樋は、雨漏りの間接的な原因となり得るため注意が必要です。
屋根からの雨漏りの場合、ルーフィングや屋根材の劣化と、雨樋が原因の排水不良が重なって生じている可能性があります。
築年数が経過している住宅では、雨漏りの直接的な原因箇所と同時に、雨樋の修理が必要になるケースも少なくありません。
関連記事:雨漏りはなぜ起きる?原因箇所の見つけ方や応急処置の方法を解説
あくまで応急処置ではあるものの、DIYで雨漏りに対処する方法もあります。
詳細を見ていきましょう。
防水テープがあれば、屋根や外壁のヒビ割れ・穴を塞ぐことで応急処置的に補修できます。
簡単に剥がせるため、原因箇所を特定できていない場合に最適です。
防水テープを用いた応急処置は、以下の手順で行います。
防水テープを貼って雨漏りが止まれば、その部分が原因箇所だと判断できます。
一度に複数箇所を塞いでしまうと浸入口を特定しにくくなるため、順番に可能性をつぶしていくことが大切です。
屋根上での作業は決して無理せず、業者に依頼することも検討してください。
やむを得ず自力で対処する場合でも、荒天時を避けて2人以上で作業しましょう。
雨漏りの原因箇所にスプレーを吹き付け、隙間をコーティングする方法です。
工具や技術を必要としないため、誰でも手軽に利用できます。
補修スプレーを使用する手順は、以下のとおりです。
補修スプレーで形成される塗膜は薄く、効果の持続期間は限定的です。
大きいヒビ割れには効果を発揮しないため、業者を待つ間の応急処置であることを念頭に置いておきましょう。
雨漏りの補修によく利用される材料です。
施工には技術を要するため、安易な利用はおすすめできません。
業者によるコーキング施工では、補修箇所の状況によって既存のコーキングを除去するか、そのまま重ねるかを選択します。
既存のコーキングを無理に除去すると下地を傷つけるおそれがあるため、DIYでは重ねて打つ「増し打ち」が無難です。
しかし、既存のコーキングの劣化が激しい場合や、密着性が悪くなるケースにおいて、増し打ちは十分な効果を発揮しません。
また、むやみにコーキング材を使用すると、本来塞いではならない「雨の逃げ道」をなくしてしまうおそれがあります。
その結果、屋根の内部や構造部分に水が流れ込めば、雨漏りの悪化や住宅の耐久性低下につながります。
以上の理由から、DIYによるコーキング施工はリスクが大きいといわざるを得ません。
雨漏りが発生した際は、室内の応急処置を優先し、早期に業者へ診断・修理を依頼しましょう。
業者に依頼するまえの一時的な対処として、ブルーシートで屋根全体を覆う方法もあります。
ブルーシートは、ホームセンターで一定の厚みがある製品を選ぶことが大切です。
少なくとも「♯2000」以上、可能であれば「♯3000」の製品を使用しましょう。
ブルーシートを屋根に貼る手順は、以下のとおりです。
ブルーシートによる雨漏り補修は、重量のある道具を高所で扱うため、想像以上に危険です。
体力のある大人が2人以上いなければ、作業は不可能でしょう。
屋根の修理は業者に任せるのが基本と考え、無理なDIYは避けるのが無難です。
雨漏りをDIYで対処できるのは、以下の状況に合致するケースに限られます。
反対に、以下の条件にあてはまる場合は業者への依頼を検討すべきです。
頻繁に雨漏りが発生している場合は、部分的にDIYで補修しても、雨の浸入を止められないケースが大半です。
さらに、雨水に濡れた下地の木材が常時湿っていることで、内部の腐食が進行しているおそれもあります。
放置期間が長くなるほど状況は悪化し、修理費用も高額になりやすいため、早急に業者へ依頼することをおすすめします。
屋根の修理費用は、原因箇所や劣化状況によって異なります。
一般的な住宅のサイズ(30坪)を想定した場合の費用相場は、以下のとおりです。
| 修理内容 | 作業内容 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 部分補修 | コーキング補修 | 5万円〜20万円 |
| 瓦の部分補修 | 4万円〜5万円 | |
| 棟板金の交換 | 4万円〜20万円 | |
| 雨樋の交換 | 3,000〜5,000円/m | |
| 全体補修 | カバー工法(重ね葺き) | 100万円〜150万円 |
| 葺き替え | 120万円〜180万円 |
使用する材料や選ぶ業者によっても費用は変動するため、あくまで1つの目安として参考にしてください。
正確な費用を把握するには、業者に雨漏り診断を依頼する必要があります。
根本的に雨漏りを解決し、住宅の寿命を延ばすためには「業者選び」が肝心です。
ここでは、優良な雨漏り修理業者の選び方を紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
天井から雨漏りしている場合でも、原因箇所が屋根にあるとは限りません。
そのため、まずは屋根と外壁の両方を調査できる業者に依頼すると安心です。
雨漏り補修や防水工事を扱っている業者は、外壁やベランダなど、雨漏りが発生し得る箇所を総合的な視点で調査してくれます。
診断の結果、ほかの専門業者に依頼すべきと判断された場合は、屋根修理業者や板金業者を紹介してもらうとよいでしょう。
雨漏りの根本的な解決を望む場合は、施工実績を重視して業者を選びましょう。
雨漏りの原因特定には、高度な知識と経験が要求されるためです。
雨水は断熱材や構造材をつたって移動するため、雨漏りが天井から生じていても、浸入箇所が屋根とは限りません。
また、配水管の損傷による「漏水」や、換気不足による「結露」など、複数の要因が絡んでいることもあります。
「雨漏り診断士」や「外装劣化診断士」など、資格保有者の在籍状況も1つの判断材料となるでしょう。
複数の業者から相見積もりを取り、金額の算出根拠を明確に説明してくれる業者を選ぶことが大切です。
住宅診断の結果が誤っている、または原因箇所が曖昧な状態で修理を進めても、すぐに雨漏りが再発する可能性もあります。
診断結果と見積もり内容の整合性が取れていることと、提案に納得感があることを重視しましょう。
相見積もりを取れば、業者間の競争が生まれ、費用面でより有利な条件を引き出しやすくなることもメリットです。
屋根の雨漏り修理を検討している方からは、費用面の質問がよく寄せられます。
回答を見ていきましょう。
火災保険は、自然災害によって対象の住宅に損害が生じた場合に適用されます。
したがって、経年劣化による雨漏りの補修を目的としたリフォームには、損害保険金が支払われません。
火災保険の対象となり得る損害の具体例は、以下のとおりです。
自然災害によって屋根が破損した場合でも、雨漏りが劣化箇所から生じている場合は保険料が支払われないため注意しましょう。
住宅リフォームに関連する助成金は各自治体で提供されていますが、雨漏り修理に限定した制度は稀です。
ただし、補助の条件にあてはまるよう屋根のリフォームを行えば、助成金を受け取りながら雨漏りを補修できる可能性があります。
多くの市区町村で補助の対象となる工事の例は、以下のとおりです。
たとえば、瓦屋根から雨漏りが発生した場合は、防災瓦に交換すると耐震性向上のためのリフォームとして扱われることがあります。
自治体が提供している補助金の内容に合わせ、補修内容を検討することも1つの選択肢です。
地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイトでは、地域ごとの補助金制度を検索できます。
屋根からの雨漏りと一口にいっても、原因となり得る箇所は多岐に渡ります。
原因を特定できないまま補修しても、根本的な解決にならないばかりか、かえって事態が悪化しかねません。
高所での作業は危険も伴うため、無理なDIYはせず、早急に業者の診断を受けるのがおすすめです。
屋根からの雨漏りにお悩みの方は、マルケイホームにご相談ください。
高品質な外壁・屋根塗装や防水工事、リフォームを提供している埼玉県の地域密着型企業です。
将来的なメンテナンスの減少も視野に入れた施工で、住宅の寿命を延ばすためにサポートいたします。
お悩みや質問は、専用オンラインフォームで24時間受付可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者

三沢 健太
株式会社マルケイホーム 代表
《プロフィール》
埼玉県川越市の外壁塗装・屋根塗装専門店「株式会社マルケイホーム」代表。戸建て住宅の外壁・屋根リフォームに特化し、劣化診断から塗料選定、施工管理まで一貫して対応してきた経験を持つ。
外装リフォームで失敗しないためのポイントや、耐久性・コストを踏まえた適切な工事内容の判断に詳しく、本記事ではその専門知識にもとづき内容の妥当性をチェックしている。