
外壁塗装は住宅の美観を保つだけでなく、建物を風雨や紫外線から守る重要なメンテナンスです。しかし、業者選びを誤ると、高額な費用を支払ったにもかかわらず満足のいく仕上がりにならないといったトラブルに見舞われてしまいます。
外壁塗装の成功は、適切な業者を選べるかどうかにかかっているといっても過言ではありません。悪徳業者による被害を避けるためには、正しい知識と判断基準を持つ必要があります。
本記事では、外壁塗装業者を選ぶ際の6つのチェックポイントから、業者選びに必要なすべての情報を解説します。ぜひ参考にしてください。
外壁塗装業者を選ぶ際には、確認すべきポイントを押さえることが重要です。建設業許可や資格の有無など、複数の観点から総合的に判断する必要があります。
それぞれの項目について、詳しく見ていきます。
外壁塗装業者を選ぶ際には、建設業許可や塗装技能士などの資格を保有しているかを確認しましょう。業者の技術力と信頼性を判断する重要な指標となります。
建設業許可とは、請負代金が500万円以上の工事を請け負う場合に必要となる許可です。取得には有資格者の専任技術者の配置など、国が定めた要件をクリアする必要があります。
塗装技能士は、塗装分野における国家検定資格であり、厚生労働省所管の技能検定制度によって認定されます。1級・2級・3級に分かれており、1級塗装技能士の受検には原則7年以上の実務経験(または2級合格後2年以上の実務経験)が必要です。
ただし、塗装技能士の資格がなくても塗装作業自体は可能です。資格の有無だけで判断するのではなく、施工実績や口コミなどもあわせて確認しましょう。
施工体制の違いは費用や品質、コミュニケーションの円滑さに大きく影響します。外壁塗装を依頼する際、業者が自社で直接施工するのか、それとも下請け業者に工事を委託するのかを確認することは重要です。
自社施工とは、業者に在籍する職人が直接塗装工事を行う形態です。打ち合わせから施工、アフターフォローまでを一貫して自社で対応するため、中間マージンが発生せず費用を抑えられるメリットがあります。
一方、下請け施工は、元請け業者が契約を結び、実際の塗装作業は別の下請け業者が行う形態です。元請け業者は工事費用から自社の利益(中間マージン)を差し引いて下請けに支払うため、同じ工事内容でも自社施工より費用が高くなる傾向もあります。
見積もり時や契約前に「自社で施工されますか?」「下請け業者に依頼する場合はどの業者ですか?」と直接質問しましょう。自社施工の業者であれば、職人の技術や実績についても詳しく説明してくれるはずです。
外壁塗装の品質を左右する重要な工程が、工事前の現地調査です。建物の劣化状況や周囲環境を詳細に把握することで、最適な塗装プランを立案できます。また、施工後のトラブルを未然に防げます。現地調査を丁寧に行う業者かどうかは、信頼できる業者を見極める大切なポイントです。
現地調査をせずに見積もりを提示したり、調査時間が極端に短かったりする業者は要注意です。建物の状態を正確に把握せずに工事を行うと、塗料の剥離やひび割れなどの問題が発生するかもしれません。結果的に追加費用がかかることもあるでしょう。
現地調査の丁寧さは、業者の誠実さと技術力を測る重要な判断材料といえます。
見積書の内容が明確で詳細に記載されているかは、信頼できる業者かどうかを判断する重要なポイントです。曖昧な見積書を提示する業者は、あとから追加費用を請求したり、手抜き工事を行ったりするリスクがあります。
保証内容や工事期間、支払い条件についても見積書に明記されているかを確認することが大切です。これらの情報が明確に記載されている業者は、信頼できる可能性が高いでしょう。
見積書の内容で不明な点があれば契約前に必ず質問し、納得してから契約を進めてください。
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施工後にトラブルが発生した場合に備え、アフターサービスや保証内容が明確に示されている業者を選びましょう。
業者による「自社保証」は、施工不良による塗膜の剥がれや膨れなどに対して、一定期間内であれば無償で補修する制度です。一般的には使用する塗料に応じて保証期間が設定されます。シリコン塗料で3〜5年、フッ素塗料で7〜10年程度が目安です。
外壁塗装は高額な工事であり、数ヶ月から数年にわたって業者と関わることになります。担当者の対応や説明が丁寧で信頼できるかどうかは、業者選びの重要な判断基準です。
業者が「今契約すれば特別価格」「今日決めないと損」といった強引なセールストークで即決を迫ってきた場合は注意しましょう。不安を煽るような営業手法は、悪徳業者の典型的な手口といえます。また、質問に対して曖昧な回答をしたり、専門用語を多用して説明を省いたりする担当者も要注意です。
外壁塗装を依頼できる業者は、大きく分けて以下4つの種類があります。
それぞれに特徴とメリット・デメリットがあり、求める条件や予算によって最適な選択肢は異なります。各業者の特徴を理解し、自分の状況に合った業者を選びましょう。
外壁塗装専門業者は、塗装に関する豊富な知識と技術を持っています。費用や施工品質を重視する方にとって、有力な選択肢といえるでしょう。
最大のメリットは、技術力の高さと自社施工による品質管理です。塗装技能士の資格を持つ熟練職人が在籍していることも多く、塗装のプロとして確かな技術を提供します。
自社で職人を雇用しているため、下請け業者への中間マージンが発生せず、費用を抑えられる点も魅力です。同じ工事内容でも、ハウスメーカーやリフォーム会社に比べて費用を抑えられる場合があります。
デメリットとしては、業者によって技術力や対応に差があることです。繁忙期には施工が混み合い、希望の時期に工事ができない可能性もあります。また、外壁塗装以外の大規模なリフォームを同時に依頼したい場合は、別途業者を探さなければならないでしょう。
リフォーム会社や工務店は、外壁塗装以外にも幅広いリフォーム工事に対応できる総合対応型の業者です。
最大のメリットは外壁塗装だけでなく、キッチンやお風呂のリフォームなど、さまざまな工事を一括して依頼できる点です。複数の業者とやり取りする手間が省け、工事全体のスケジュール調整もスムーズに進みます。工務店の場合は地域密着型が多く、外構や内装工事まで含めた総合的な提案が期待できます。
ただし、多くのリフォーム会社や工務店は、外壁塗装の実際の施工を下請けの専門業者に委託するのが一般的です。下請け業者への中間マージンが発生するため、外壁塗装専門業者に比べて費用が高くなる傾向もあります。
また、元請け業者と施工業者の間でコミュニケーションが分断されると、依頼主の要望が正確に伝わらない可能性もあるでしょう。
大手の住宅建築会社が提供するハウスメーカーは、自社で建築した住宅の構造や外壁材を熟知しているのが強みです。設計図や仕様情報に基づき、外壁材の特性に応じた的確な塗装方法を提案できます。過去のメンテナンス履歴も把握しているため、建物の状態に最適なプランが期待できるしょう。
また、ハウスメーカー独自の厳格な品質基準があります。使用塗料や塗装工程が明確に定められているため、安定した仕上がりが期待できます。
デメリットは、費用が高額になる傾向があることです。ハウスメーカーも実際の施工は下請け業者に委託するケースが多く、中間マージンが発生します。同じ品質の工事でも、外壁塗装専門業者に比べて費用が高くなりやすいでしょう。
近年、大手家電量販店やホームセンターも外壁塗装サービスを提供しています。身近な店舗で気軽に相談できる点が魅力ですが、注意すべき点も少なくありません。
メリットとしては、大手企業ならではの倒産リスクの低さと、ブランド力による安心感です。リフォームついでに、家電を割引価格で購入できるキャンペーンを実施している場合もあります。
しかし、デメリットも多く存在します。問題は費用の高さです。家電量販店やホームセンターはリフォームの窓口として機能しているだけで、実際の施工は下請けや孫請け業者に委託します。中間マージンが発生するため、外壁塗装専門業者に比べて費用が高くなる傾向もあります。
どうしても家電量販店やホームセンターに依頼する場合は、実際に施工する業者の情報を確認しましょう。複数の専門業者からも見積もりを取って、比較検討することをおすすめします。
外壁塗装業界には、残念ながら悪徳業者も存在します。以下の特徴に当てはまる業者には十分な注意が必要です。
消費者庁も、訪問販売による外壁塗装の契約トラブルについて注意を呼びかけています。被害を未然に防ぐためには、悪徳業者の典型的な手口を知ることが重要です。
相場よりも極端に安い見積もりや、数十万円単位の大幅な値引きを提示する業者は要注意です。一見お得に見えますが、安さの裏には必ず理由があります。
具体的なトラブル事例は、以下のとおりです。
このような工事では、数年後に塗膜の剥がれや変色が発生します。そして、結果的に再塗装が必要となって高くつく場合もあります。大幅値引きを前面に出す営業手法は、悪徳業者の典型的な特徴です。
多くの悪徳業者は、突然訪問してきます。「近所で工事をしていたら、お宅の外壁が深刻な状態だと気づいた」「すぐに対処しないと雨漏りする」など、誇張した言葉で不安を煽ります。
本当に外壁に問題があるかどうかは専門の診断を受けないと判断できません。訪問業者の言葉だけを信じるのは危険です。
訪問販売で契約してしまった場合でも、契約書面を受け取ってから8日以内であればクーリングオフ制度を利用して契約を解除できます。消費者ホットライン(188)や住まいるダイヤル(0570-016-100)などの相談窓口が利用可能です。
少しでも不安を感じたら、専門家のアドバイスを受けましょう。
曖昧な見積書を提示する理由は、あとから追加費用を請求しやすくするためです。「一式」という表記では、どの工程が含まれているのか、どの範囲まで施工するのかが不明確です。「これは含まれていない」といわれても反論できません。
また、塗料のメーカー名や商品名が記載されていない場合も注意が必要です。契約時に説明された高品質な塗料ではなく、安価な塗料に変更されても気づきにくくなります。
見積書の内容で不明な点があれば、契約前に必ず質問しましょう。曖昧な説明しかできない業者や、詳細な見積書の提示を渋る業者とは契約すべきではありません。複数の業者から詳細な見積書を取得して内容を比較することで、悪徳業者を見抜けます。
信頼できる業者は保証期間や保証対象となるトラブルの範囲、保証が適用されない条件など、必ず書面で保証内容を提示します。契約書や保証書に保証の詳細が記載されており、依頼主が理解できるまで丁寧に説明してくれるでしょう。保証期間中に施工不良が発見された場合、無償で補修する旨が明記されているかを確認することが大切です。
悪徳業者は「保証しますから安心してください」と口頭ではいうものの、具体的な保証内容を書面で出そうとしません。「あとで送ります」といったまま送ってこなかったり、保証について質問すると曖昧な返答をしたりする場合は要注意です。保証書がなければ、施工後に不具合が発生しても「保証の対象外です」といわれ、追加費用を支払って修理する羽目になるでしょう。
契約前に必ず保証内容を書面で確認し、不明な点があれば納得できるまで質問しましょう。「どのようなトラブルが保証対象ですか?」「自然災害は対象外ですか?」といった具体的な質問をしてください。
また、保証書の提示を渋る業者や、保証について詳しく説明できない業者とは契約を避けるべきです。アフターフォローをする業者は保証に自信を持っており、積極的に保証内容を説明してくれます。保証とアフターサービスの充実度は、業者選びの重要な判断基準です。
外壁塗装の業者選びで失敗しないためには複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが不可欠です。以下の2つには注意しましょう。
1社だけの見積もりでは、その金額が適正かどうか判断できません。一般的には3社程度から相見積もりを取ることが推奨されます。
相見積もりを取る際に重要なのは、すべての業者に同じ条件で依頼することです。条件が異なると、金額差の理由が品質の違いなのか仕様の差なのか判断できなくなります。
具体的には、以下を伝えましょう。
同じ条件で見積もりを依頼することで、各業者の価格や提案内容を公平に比較できます。適正価格の見極めもしやすくなるでしょう。
相見積もりで業者を比較する際は、金額だけでなく見積書の中身を詳しく確認することが重要です。以下をチェックしてみてください。
安い見積もりが必ずしもよいとは限りません。極端に安い業者は、工程を省いたり安価な塗料を使用したりする可能性があります。
反対に高額な業者も注意が必要です。中間マージンが上乗せされている場合もあります。金額の安さではなく、内容の充実度と透明性を重視して業者を選びましょう。
外壁塗装の業者を選ぶ際には、価格だけで判断してはいけません。以下の注意点を踏まえ、工事内容の詳細を確認することが重要です。
価格と工事内容のバランスを見極め、適正な業者を選びましょう。
相場より極端に安い見積もりには、手抜き工事のリスクが潜んでいます。
安すぎる見積もりを提示する業者には、なぜその価格なのか詳しく質問しましょう。使用する塗料のグレードや塗装回数などを具体的に確認し、納得できる説明が得られない場合は契約を避けるべきです。数年後に塗装の剥がれや変色が発生すれば、結果的に再塗装が必要となります。
相場より高額な見積もりを提示する業者の場合、工事内容の内訳を詳しく確認することが重要です。
高額な見積もりの理由が、高品質な塗料の使用や丁寧な下地処理によるものであれば問題ありません。ただし不要な工事が含まれていたり、単に利益を上乗せしているだけの場合もあります。
塗料の種類とグレードや下地処理の内容など、高額になっている理由を業者に説明してもらいましょう。納得できる説明があれば、適正価格と判断できます。
外壁塗装の業者選びに関して、契約前の判断基準からトラブル対応まで、よくある質問とその答えをまとめました。
これらの疑問を解消し、安心して業者選びを進めましょう。
ほかの業者や訪問営業から「相場より高い」と指摘された場合、その発言を鵜呑みにしないようにしましょう。複数の業者から見積もりを取って、自分で判断することが重要です。悪徳業者は「他社は高すぎる」と不安を煽り、自社への契約を促します。
まず、3社程度から相見積もりを取り、平均的な価格帯を把握しましょう。高額でも、高品質な塗料を使用して丁寧な施工を行う業者がおすすめです。金額だけでなく、工事内容と保証の充実度を総合的に判断してください。
知人に紹介された業者だからといって、無条件に信用するのは危険です。知人が満足していても、あなたの建物の状態や要望に適しているとは限りません。また、知人との関係を気にして、契約後に不満があっても言い出しにくくなるリスクがあります。
ほかの業者と同様に、建設業許可や資格の有無や施工実績などを確認しましょう。見積書の詳細をチェックし、不明な点があれば遠慮せず質問してください。
知人紹介の業者を含めて複数社から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。最終的には、自分自身が納得できる業者を選ぶことが大切です。
契約前に確認すべきは、以下の書類です。
また、工事の仕様書には以下の内容が書かれているかも確認しましょう。
質問すべき項目は、使用する塗料のメーカー名と商品名や塗装回数などです。不明な点があれば、納得できる回答が得られるまで契約を保留しましょう。また、口頭での約束だけでなく、すべて書面で確認することも重要です。
契約後にトラブルが発生した場合、まず業者に連絡して状況を説明しましょう。施工不良や塗りムラなどは、保証期間内であれば無償で補修してもらえます。写真を撮って証拠を残し、早めに連絡することが大切です。
業者が対応してくれない場合や、訪問販売や電話勧誘販売などの対象取引であれば、契約書面を受け取った日から8日以内でクーリングオフ制度を利用できます。法的な対応が必要な場合は、弁護士への相談も検討しましょう。
見積もり依頼後にしつこい営業を受けないためには、信頼できる一括見積もりサイトを利用するか、地元で評判のよい業者を選びましょう。多くの一括見積もりサイトでは「お断り代行サービス」を提供しているため、直接断りにくい場合に便利です。
もし訪問営業や電話営業がしつこい場合は「他社と比較検討中です」「必要なときはこちらから連絡します」とはっきり断りましょう。インターホン越しで対応し、玄関先に入れないことも有効です。それでもしつこく訪問される場合は、警察や消費者ホットラインに相談できます。
外壁塗装の業者選びは、住宅の美観と耐久性を守るための重要な決断です。現地調査を丁寧に行い、保証内容を明確に説明してくれるかは、業者の信頼性を判断するうえでの重要な要素といえます。
現地調査から見積もり、施工後のフォローまで丁寧に対応してくれる業者を選ぶことで、後悔のない外壁塗装につながります。
外壁塗装をご検討中の方は、実績豊富なマルケイホームもあわせて確認してみてください。オンラインフォームは24時間利用可能です。助成金の活用方法から施工内容まで、専門スタッフが最適なプランをご提案します。
この記事の監修者

三沢 健太
株式会社マルケイホーム 代表
《プロフィール》
埼玉県川越市の外壁塗装・屋根塗装専門店「株式会社マルケイホーム」代表。戸建て住宅の外壁・屋根リフォームに特化し、劣化診断から塗料選定、施工管理まで一貫して対応してきた経験を持つ。
外装リフォームで失敗しないためのポイントや、耐久性・コストを踏まえた適切な工事内容の判断に詳しく、本記事ではその専門知識にもとづき内容の妥当性をチェックしている。